ほうれい線とは、小鼻の横から口角にかけて斜めに走る「皮膚のしわ」(2本のハの字線)のことです。
「ふけて見える」「疲れて見える」は、女性としては、あまり言われたくない言葉の一つですが、美容にコンシャスな昨今の男性の中にも「この、ほうれい線というやつを取りたいんだけど・・・」
と言って、クリニックに治療にいらっしゃる方が結構あります。


Before

人の価値はもちろん外見では計れませんが、ビジネス上、外見は常に重要視される要素と言えます。第一印象が大事という機会が多い場合はなおさらです。美容外科が特殊な職業の方々だけでなく一般に浸透してきたため、いわゆる「身だしなみ」と考えられるレベルも上がっているのかもしれません。

ほうれい線を目立たなくする方法は、まずヒアルロン酸などのフィラー(充てん剤)を使うことがほとんどです。当院にはヒアルロン酸の他にRadiasse(レディエッセ、ラディエスなどと呼ばれます)というハイドロキシアパタイト製剤のご用意もあります。

(1) ヒアルロン酸は、真皮に元々存在している成分ですが、皮膚の折り目となってしまっている「しわ」の部分に注入することで、(ヒアルロン酸が水分をしっかり保持し)組織をふっくらさせることで、ほうれい線などのしわを目立ちにくくするというものです。およそ5~6ヶ月かけて徐々に吸収されますが、何度か行なうと少し線維が残り、最初の状態から比較すると元に戻る感じは少なくなります。

* ところで、化粧品に含まれるヒアルロン酸は、皮膚の表面の潤いを保つもので、美容外科で使っている注射製剤のようにダイレクトにしわを消すものではありません。栄養食品としてヒアルロン酸やコラーゲンを飲む場合なども基本的に消化管を経由する過程で分解されますので、思うようには効きません。自分でどうにもならない時は、ぜひ専門家までご相談ください。

(2) Radiasse(レディエッセ・ラディエス)の主成分であるハイドロキシアパタイトは元々軟骨の成分として人体にあるもので、アレルギーを起こす心配がまずありません。治療後の感じはヒアルロン酸とさほど変わりませんが、違い(メリット)は、「なじみ方」と「効果の持続期間」にあります。

Radiasse は、副成分のキャリージェルが周辺に吸収されていく過程で新たなコラーゲンの再生を促してくれますので、1~2週後の肌へのなじみ方が非常に良いようです。効果は1~2年(平均18ヶ月)持続します。デメリットとしては、唇や目の下の小じわなどには使えないところですが、ヒアルロン酸同様に効果も安全性も高い治療素材です。

本症例は患者さんのご希望によりヒアルロン酸をお使いしていますが、Radiasse でも代用できます。この患者さんも次はRadiasseにトライしたいと言っておられます。


Before → After

 

いかがでしょうか?右は2週間後ですが、自然な感じで、ほうれい線が目立たなくなりました。リフトアップ治療を施したわけではないのに、この線を目立たなくするだけで、若々しい印象をつくることができるというわけです。
けれども、ほうれい線などのしわは、このようなフィラーだけですべて解決するというわけではありません。

そもそも、ほうれい線は、皮膚が加齢によりたるみ、筋肉の交差点のようなところで、せき止められ、明らかになってくる線です。子供のほうれい線が目立たないのは、コラーゲン線維の再生が活発に行なわれ、皮膚の弾力性が保持されていることや脂肪が高い位置で保持されていることによります。

それで、美容外科では、この現象に対して自家脂肪移植(脂肪注入)や手術やレーザーによるリフトアップ治療も行なっているわけですが、こちらの方が抜本的な治療になることは確かです。また、皮膚のダメージが強いとフィラーが比較的早く吸収されてしまい、持ちが悪くなることがあります。そうするとせっかくの効果が充分に発揮できない結果ともなってしまいます。

手術まではちょっと・・・という方も、軽い美容レーザー治療で皮膚の状態をよくしてから、フィラーでの治療をしたほうがよい場合もあります。

たかが、ほうれい線、されど、ほうれい線。
ただ、これが目立たなくなると、ぐんと若く見えることは間違いなしです。
どうぞ、ぜひクリニックにお越しください。一緒にこいつをやっつけましょう。

 

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